メニュー

透析を始める基準とタイミング

[2025.01.13]

人工透析まめ知識、今回は透析を始めるの基準とタイミングについての話題です。

 

 

主治医から「もうすぐで人工透析が必要になるかもしれません」と言われて不安を感じている方もいるでしょう。

 

「またけっこう元気だし、食欲もあるし、本当に透析が必要になるの?」と疑問を感じている方も少なくないかと思います。

 

そこで今回は、「いつから透析を始めるの?」という疑問に腎臓・透析専門医がお答えします。

 

1. 腎臓の働きが弱ってくるとどうなる?

腎臓病まめ知識①」の繰り返しになってしまいますが、腎臓は体の中の「おそうじ屋さん」のような役割をしています。

 

不要な水分や老廃物を尿として体の外に出したり、体のバランスを整えたりしています。

 

ところが、腎臓の働きがだんだん弱ってくると、体の中にゴミがたまってしまい、むくみ疲れやすさ食欲の低下息切れかゆみなど、さまざまな不調が現れてきます。

 

これらは、腎臓の働きが不十分なサインであり、これらの症状が「あるか、ないか」が、透析を始める基準の一つになります。

 

2. 透析を始めるのはどんなとき?

透析を始めるタイミングは、「腎臓の機能がかなり低下し、体に悪影響が出てきたとき」です。

 

具体的には、血液検査の数値(特にクレアチニンやeGFR)や、むくみ・食欲不振・吐き気・倦怠感などの症状を見て、医師が総合的に判断します。

 

検査の数値だけでなく、「日常生活にどれだけ支障が出ているか」も大切な判断材料です。

 

無理に我慢せず、症状が出たら早めに相談しましょう。

 

3. よくある誤解:「数値が下がったらすぐ透析?」

「数値が◯◯以下になったら透析開始」という決まりはありません。

 

人によって体の状態は違うため、同じ数値でも透析が必要な人もいれば、まだ必要ない人もいます。

 

透析を早く始めすぎても、遅すぎても体に負担がかかることがあります。

 

そのため、定期的に検査を受けながら、タイミングを見極めることがとても大切です。

 

ただし、一般的にはeGFRが10未満になってくると、「いつ透析を始めてもおかしくない」状態といえます。

 

4.透析を始めたらやめられないの?

この質問は患者さんからよく聞かれることの一つです。

 

この考え方には多少の誤解があるようです。

 

人工透析は「人工透析まめ知識①」でもご紹介した通り、「自分の腎臓の代わり」をする治療です。

 

つまり、「透析を始めなくてはいけない状態」とは、「自分の腎臓は働いていないため、その代わりを透析でまかなわなくてはいけない状態」とも言えます。

 

そのような状態で、自分の腎臓の代わりである「透析」をもし止めてしまうと、命にかかわっきてしまうのです。

 

見方を変えると、「透析をやめられない状態」なのではなく、「透析を止めたら命にかかわる状態」といえるのです。

医師とよく相談して納得のいくスタートを

透析は、一度始めると長く続けていく治療です。

 

不安も多いと思いますが、医師としっかり話し合い、自分に合ったタイミングで安心して始められることが大切です。

 

「そろそろかな?」「体がつらくなってきたかも」と感じたら、遠慮せずに医師にご相談ください。

 

早めの相談が、良いスタートにつながります。

 

当院でも透析に関するご相談を受け付けております。

 

どんな小さな悩みでもご不安なことがありましたら、いつでもご連絡ください。

HOME

ブログカレンダー

2025年6月
« 5月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME