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糸球体腎炎

<急性糸球体腎炎>

扁桃炎など上気道の感染が治ってから10日前後たって発症する腎炎です。顔面・まぶた・足の浮腫(むくみ)、肉眼的血尿(褐色・コーラ色)、尿量低下、高血圧などが主な症状です。原因として、A群β溶連菌と呼ばれる細菌による感染が代表的で、小児~若年者に多くみられます。強い血尿と蛋白尿をきたし、時に急激な腎機能の悪化を認めます。症状と血液や尿検査で診断しますが、他の腎炎と区別が難しい場合には、腎臓に針を刺して腎臓の組織を観察する「腎生検」を行うこともあります。

治療は、安静と塩分・水分制限ですが、尿量減少、浮腫、高血圧に対して一時的にお薬を使用することもあります。血尿・蛋白尿、腎機能は自然に改善する病期ですが、時に血尿や蛋白尿が続き、腎機能障害が残ることもあります。

 

<IgA腎症>

IgA腎症は、世界で最も多い腎炎で、特に日本を含む東アジアに多いとされます。血尿と蛋白尿が主な症状です。治療しなかった場合、約4割の方が腎臓の機能が悪化し、透析に至ってしまうとも言われ、早期発見が大切な病気です。

診断には腎臓に針を刺して腎臓の組織を観察する「腎生検」という検査を行います。発症原因は未だ解明されていませんが、糸球体に抗体の一種であるIgA(免疫グロブリンA)が沈着することで炎症が起こると考えられています。治療には、ACE阻害薬やアンギオテンシンII受容体拮抗薬と呼ばれる血圧のお薬や、ステロイドと呼ばれる免疫を抑える薬などが用いられています。また我が国においては、扁桃腺をとる手術とステロイド治療の併用療法(扁摘パルス療法)が広く行われ、良好な治療効果を示しています。

 

<急速進行性糸球体腎炎(RPGN)>

腎臓の糸球体に高度の炎症が起きて、血尿や蛋白尿が出現し、数日~数週間の間に急速に腎機能が低下して腎不全になってしまう予後の悪い疾患で、① 数週から数ヶ月で急速に腎不全が進行する、② 血尿、蛋白尿、赤血球円柱、顆粒円柱等の腎炎性円柱を認める、の2項目を満たす病気です。

高齢者に多いのが特徴で、平均発症年齢は、65~70歳です。尿が濃くなる(血尿)・泡立つ(蛋白尿)・全身の浮腫み(尿量低下)などの腎症状のほか、全身倦怠感、発熱、食欲不振等などの全身症状がみられます。無症状の場合もあります。また原因によっては、息切れ、呼吸困難、咳、血痰、しびれ、出血斑などの腎臓以外の症状が出現することもあります。

多くの人は全身倦怠感、持続する発熱や体重減少などの症状があるために病院を受診して、検査で血尿や蛋白尿、腎機能の低下を認め診断されます。

根本的な原因は不明ですが、自己免疫(体の抵抗力)の異常を背景に発症していると考えられています。できるだけ早期に診断し、ステロイドなどの免疫を抑える治療を行います。腎機能が高度に低下している場合には一時的に透析治療が必要となる場合もあります。約30%の患者さんは、末期腎不全になり透析治療を必要とし、また約20%の患者さんは死に至る予後不良の疾患です。放置すると末期腎不全もしくは命に関わる為、上記の症状などがあれば、すぐに受診して下さい。

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