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検尿異常について

尿の検査は痛みを伴うこともなく、様々な体の情報を教えてくれる有用な検査です。

尿異常の種類

どのような状態?

考えられること

血尿

尿に血液が混ざっている

腎炎、結石、膀胱炎、腎腫瘍、血管の障害など

蛋白尿

尿に蛋白が漏れている

慢性腎臓病、腎炎、ネフローゼ、糖尿病

糖尿

尿に糖分が漏れている

糖尿病、腎性糖尿

膿尿

尿に白血球が混ざっている

膀胱炎、腎盂腎炎などの尿路感染症

円柱

尿に円柱(細胞・蛋白のかす)

が混ざっている

腎臓で蛋白が漏れてつまる、腎炎など

検尿異常と言われたら、朝一番の尿(早朝尿)でさらに詳しく調べます。

早朝尿で蛋白がでなければ、運動、ストレス、発熱等により一時的に蛋白がでる「機能性蛋白尿」や、若い男性などに多い立っているだけで蛋白が出る「起立性蛋白尿」が考えられます。また、膀胱炎など尿の通り道の炎症でも認められることがあります。一方で、早朝尿で2回とも蛋白陽性の場合は、腎臓に問題があることが多いので、精査が必要です。

 

 

血尿には、見た目からして尿がコーラ色・褐色、血の塊が混ざるような「肉眼的血尿」と、見た目は正常な「顕微鏡的血尿」があります。

肉眼的血尿は、尿路結石や腫瘍の可能性があり、エコー、CTスキャン、尿に含まれる細胞を調べる検査(尿細胞診)等を行います。ひどい膀胱炎でも肉眼的血尿が出ることがあります。

早朝尿では、血尿がないにもかかわらず、日中に取る尿(随時尿)で血尿を認める場合、ナットクラッカー症候群や遊走腎の可能性があります。ナットクラッカー症候群とは、左の腎臓から戻る血管(腎静脈)が腹部大動脈と腸を栄養する血管(上腸間膜動脈)の間に挟まれて腎臓の中の血液がうっ滞するため反復する血尿が出る状態です。遊走腎は痩せた人に起こりやすく、腎臓の周りの脂肪が少ないために腎臓が固定できずに尿管に傷がついて血尿が出る状態です。肉眼的血尿があったときは、最初の精密検査で異常が見つからなくても3年間は3-6ヶ月毎に外来で検査を行います。

顕微鏡的血尿の場合、エコー、尿に含まれる細胞を調べる検査(尿細胞診)等で異常がなく、尿蛋白を認める、血圧・血液検査で異常があれば腎臓病の可能性があります。治療を要すると思われる場合には、腎臓に針を刺して腎臓の組織を観察する「腎生検」を検討します。蛋白尿がなくても尿潜血が持続する場合は慢性腎臓病を発症する可能性があるため、年に一度以上の検尿検査を行い,蛋白尿も認める場合には、詳しい検査を行います。

検尿によって様々なことがわかりますが、その異常だけでは特別な症状がないため、放っておかれることも少なくありません。しかし、早めの対応が病気の進行を抑えるうえで最も重要となります。

当院には腎臓専門医が常勤しておりますので、検尿異常を認めた際はぜひご相談ください。

 

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