腎臓ってどんな臓器?その働きと重要性
腎臓病まめ知識、今回は腎臓の働きについての話題です。
「腎臓(じんぞう)」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
「おしっこを作る臓器?」「透析が必要になる病気?」など、なんとなく知っていても、詳しくは知らない方も多いかもしれません。
今回は、そんな腎臓の働きと大切さについて腎臓・透析専門医がご紹介します。
腎臓はどこにある?
腎臓は、背中側の腰のあたり、背骨の左右に1個ずつ、合計2個あります。
形はそら豆のような形で、大人の握りこぶしくらいの大きさです。
体の中では比較的小さい臓器ですが、実はとっても働き者なんです。
腎臓の主な働きは?
腎臓には、以下のような大切な働きがあります:
① 血液をきれいにする(老廃物のろ過)
腎臓は、1日に約150リットルもの血液をろ過し、いらないもの(老廃物)を尿として体の外に出す役割をしています。
つまり、体の「おそうじ係」のような存在です。
このおそうじ機能がないと、体の中に毒素(尿毒素)がたまってしまいます。
② 体の水分・塩分バランスを調整する
体にとってちょうど良い水分量や塩分のバランスを保つのも腎臓の大切な仕事。
飲みすぎたり、汗をかいたりしても、尿の量や濃さを調整して、体のバランスを整えてくれるのも腎臓です。
③ 血圧をコントロールする
腎臓は、ホルモンを分泌して血圧を調整する働きもあります。
そのため、腎臓が悪くなると、高血圧になりやすくなります。
④ 血液をつくるのを助ける
腎臓から分泌されるエリスロポエチンというホルモンは、骨に「赤血球を作って!」と指示を出します。
腎臓が弱ると貧血になりやすくなるのはこのためです。
腎臓が悪くなると…
腎臓は・・・「沈黙の臓器」と呼ばれています。
というのも、悪くなっても自覚症状が出にくいからです。
気づいたときには、かなり進行していた…ということも少なくありません。
ですから、健康診断の尿検査や血液検査で腎臓の状態を定期的にチェックすることがとても大切です。
まとめ
先ほども書きました通り、腎臓の働きを簡単にいうと、体の中の「きれい好きなおそうじ屋さん」といえます。
ただ、とても繊細で、一旦傷んでしまうと元に戻らないことも多くあるのでやっかいです。
「症状がないから大丈夫」と油断せず、健康診断などで尿検査・血液検査を受けて、腎臓の状態を定期的にチェックしましょう!