コンビニや外食するときに気をつけたい5つの勘ドコロ
腎臓病の食事制限というと、「あれもダメ」「これもダメ」と思ってしまいがちです。
特に、「コンビニ」や「外食」に関して、医療スタッフから注意を受けたことがある方は、少なくないと思います。
今回は、「コンビニ」や「外食」でもできる“腎臓にやさしい食事の勘ドコロ”をご紹介します。
1.5つの勘ドコロとは?
勘ドコロ1.減塩が基本!味の濃さに注意しよう
腎臓にやさしい食事の第一歩は「塩分を控えること」です。
コンビニや外食のメニューは、どうしても塩分が多くなりがち。
ポイントは「見た目がシンプルなもの」を選ぶことです。
勘ドコロ2.たんぱく質とリンのとりすぎに注意!
慢性腎臓病の方やタンパク尿が出ている方の場合、たんぱく質のとりすぎを控える必要あります。
コンビニや外食では、どうしても肉や魚、加工食品が中心になりやすいですが、「量」と「種類」に気をつけることで調整しましょう。
勘ドコロ3.カリウムに注意した食材の選び方
腎機能が低下すると、カリウムというミネラルが体にたまりやすくなります。
特に慢性腎臓病のステージ4,5の方は、カリウムが体にたまりすぎて不整脈を起こす危険性が高まります。
生野菜や果物、芋類、豆類はカリウムが多めなので、量や調理法に注意しましょう。
勘ドコロ4.リンを抑える工夫も大切
特に透析中の方にとって「リン」のとりすぎも要注意です。
加工食品やインスタント食品、ファストフード、そして乳製品にはリンが多く含まれることがあります。
勘ドコロ5.水分制限がある方は飲み物の選び方にも注意
透析を受けている方など、水分制限が必要な場合には、飲み物の選び方にも工夫が必要です。
とくに清涼飲料水やスポーツドリンクは、飲見始めるともっと飲みたくなる味付けがされています。
2.コンビニで選ぶときのテクニック
現代人の味方、コンビニ。種類も豊富で便利ですが、腎臓にやさしく選ぶにはちょっとしたコツが必要です。
できるだけ「手作り感」のある惣菜や、「原材料が少ない食品」を選ぶのがおすすめです。
これらは、添加物が少なめで、リンの摂取量を減らすことができます。
最近のコンビニでは、無添加・減塩をうたった商品も増えています。
●おすすめの選び方
・おにぎりは「梅」「昆布」など具材がシンプルなものを
→「焼きたらこ」「明太子」は塩分が高めです。
・パンなら「ロールパン」や「食パン」系を選ぶ
→チーズやベーコン入りの惣菜パンは塩分・リンが多め。
・カップ麺は避けたいが、食べるならスープは残す
→スープには塩分が多く含まれています。
・店舗で調理している食べ物があれば、そちらのほうがお勧め
→コンビニ食は、保存料(添加物)が多く含まれています。
店舗内調理のものなら、保存料も少なめのことが多いです。
●飲み物の選び方
・麦茶、ほうじ茶、水が基本
・野菜ジュースやスポーツドリンクはカリウムや塩分が多い場合もあるので注意。
・清涼飲料水やスポーツドリンクは、どうしてもたくさん飲みすぎてしまう傾向になるので、注意が必要です。
・また、コーラや炭酸飲料もリンが多く含まれます。
3.外食での“選び方”テクニック
外食も、「何を選ぶか」で腎臓への負担を大きく減らすことができます。
●和食は基本的に◯だけど油断禁物
・定食スタイルを選ぶ:主菜・副菜・ごはん・味噌汁が別々になっていて、調整しやすい
・和食は全体的に塩分が多めなので、醤油をつけるときは要注意!
・味噌汁は半分程度で、具材だけ食べましょう
・漬物は残すのが無難
●洋食や中華を選ぶなら
・ソースが最初からかかっている料理は避ける
・ごはんに味がついているチャーハンや中華丼より、「ごはんとおかずが別の料理」がおすすめ
・あんかけ料理はとろみがある分、塩分が多くなりがちなので注意
●外食でのワンポイントアドバイス
ごはん少なめ」「ドレッシング別添え」「ソース控えめ」など、ひと声かけて調整するだけで、負担を大きく減らせます。
4.こんな食材・メニューは注意!
繰り返しになってしまいますが、塩分やリン・カリウムが多い食品は要注意です。
●リンに注意したい食品
・加工食品(ウインナー、ハム、チーズ、カップ麺、インスタント食品)
・加工チーズ、スナック菓子、コーラ類(リン酸塩添加)
・ファーストフード
・乳製品(ヨーグルト、牛乳、チーズなど)
・コーラなど炭酸飲料
●カリウムに注意したい食品
・果物(バナナ、メロン、キウイ、柿など)
・野菜ジュース、ほうれん草、かぼちゃ、アボカドなど
●塩分が意外と多いもの
・コンビニおでん
・丼もの(親子丼、牛丼などのタレ)
・ラーメン類、カレー
→「スープ」「タレ」「つゆ」には特に要注意。少し減らすだけでも負担が変わります。
5.どうしても忙しいとき・疲れているときは?
疲れて料理をする気力がないときや、仕事の合間のサクッとランチでも、腎臓を気づかうことは可能です。
●「全部完食しない」ことも選択肢
・少しだけおかずを残すことで、塩分やリンの摂取量を調整できます。
・お味噌汁やスープ類を残すのはとくに効果的です。
●冷凍食品やレトルトを使うときは
・「減塩」「低たんぱく」「保存料なし」表示のある商品を選ぶ
・調理後に少し水で薄めるなど工夫してみるのも手です。
●疲れているときのおすすめ食事
・ごはん+納豆+温野菜(ポン酢少々)など、結構お勧め
6.おわりに
腎臓病の食事制限は「がまん」ではなく、「工夫と選び方」で大きく変わります。
コンビニや外食が続いても、「どう食べるか」を意識するだけで腎臓への負担は減らせます。
もちろん、個々の病状によって注意すべきポイントは異なります。
定期的に主治医や栄養士さんと相談しながら、自分に合った「外食・コンビニルール」を見つけていくといいですね。
上手に選べばコンビニや外食も心強い味方になります。自分に合った「ちょっとした工夫」で、無理なく、楽しく、腎臓にやさしい生活を続けていきましょう。