第48回:ブロッコリーでガン予防
先日、新聞にこのような記事が載っていました。
「ブロッコリー、指定野菜に ~安定供給の重要性、トマト並み 農水省が半世紀ぶり追加~」
私も知りませんでしたが、世の中の野菜の中には”指定野菜”というものがあるそうです。
”指定野菜”は、「特に消費量が多くて全国で買える野菜が指定される」らしく、
安定供給できるよう生産されているのだそうです。
これまで、キャベツや大根、トマトなど14品目が”指定野菜”だったそうですが、今回ブロッコリーが仲間入りすることとなりました。
ちなにみ、この”指定野菜”品目の追加は、1974年のバレイショ以来、50年ぶり(!?)とのことです。
「なぜロッコリーが”指定野菜”になったか?」というと、「健康志向の高まりで、その消費量が増えているから」なのだそうです。
実はこのブロッコリーを含む”アブラナ科の野菜”※は、がん予防効果の可能性があることをご存知ですか?
※ アブラナ科の野菜とは:ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ケール、大根、カブなど
日本の国立がん研究センターがん対策研究所が行った研究でも、「閉経前の女性では、アブラナ科の野菜の摂取量が多いほど、乳がんリスクが低い」という結果が出ています。
Cance cause control 2013(24) 2117-2128 より
さらに、(乳がんの多くが女性ホルモンと関連しているのですが)アブラナ科の野菜は摂取量が増えるほど、ホルモン関連の乳がんリスクが低かったそうです(グラフ)。
一方で、閉経後の女性においては、アブラナ科の野菜による”乳がんリスクの低下効果”は認めなかったそうです。
乳がんだけでなく、ほかのガンでも「アブラナ科野菜とがん予防効果に関する研究結果」が、これまでに発表されていますので、
箇条書きでご紹介します。
前立腺がん:「アブラナ科の野菜をより多く食べる人は前立腺がんのリスクが低い」
結腸がん:「アブラナ科の野菜を多く摂取した女性は、結腸がんのリスクが減少した」
肺がん: 「アブラナ科の野菜を週に5食分以上食べる女性は肺疾患のリスクが低い」
スルフォラファン ウィキペディアより
ちなみに、このがん予防効果の要因といわれているのが、アブラナ科野菜に多く含まれる”スルフォラファン”という物質なのだそうです。
このスルフォラファン、腸でよく吸収されるそうです。
ということは、やはり食事から摂取するのは理にかなっています。
一方、腸から吸収されたあと、尿からすぐに排泄されてしまう※という欠点もあります。
※ 約3時間後に血中濃度が最大になりますが、2時間後には半分まで血中濃度が下がってしまいます
ですから、一度にたくさん摂取するよりも、頻回に食べた方がよいといえそうです。
もちろん、ブロッコリーにはその他のビタミン類やミネラルなど様々な栄養素も含まれていますし、
ゆでて(マヨネーズなどを)つけるだけでも食べられる”手軽さ”を持つ万能野菜です。
みなさんもふだんの食事に少しだけ添えてみてはいかがでしょう?