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第47回:炭水化物は量より質!? ~炭水化物の種類と体重の関係~

[2023.11.28]

「炭水化物を食べすぎると太る」というのは、多くの方がご存知かと思います。

 

でも、具体的に「どのくらいの炭水化物を摂取すると太るのか」、また「どんな種類の炭水化物が太りやすいのか」、ご存知ですか??

 

今回は、「炭水化物の種類と、体重増加の関係」についての研究の結果をご紹介します。

 

研究の概要

今回の研究は、13万人以上の元気な男性と女性を24年間も追いかけて、”炭水化物の摂取の仕方”と”体重の変化”との関係を、4年ごとに調べました 。

 

その結果、「炭水化物の摂取量自体は体重変化にあまり影響しなかった」そうです。

 

しかし、「炭水化物の種類によっては、体重増加や減少に大きな差が出ることが判明した」ということです。

 

では、どのような炭水化物が太りやすくて、どのような炭水化物が太りにくかったのでしょう??

 

”精製穀物”や”でんぷん野菜”は太りやすい

※1 精製穀物:パン、パスタ、ビスケット、白米など

※2 でんぷん野菜:じゃがいも、カボチャ、さつまいも、とうもろこし、エンドウマメなど

 

調査の結果、上記の※で挙げたような、”精製穀物”や”でんぷん野菜”の摂取量が多い人は、体重増加のリスクが高いことがわかりました。

 

例えば4年間の間、1日の摂取量を100g増やすと…

 

・精製穀物の場合:平均+0.8kg

 

・でんぷん野菜の場合:平均+2.6kg

 

と、体重が増えてしまったそうです。

”全粒穀物”や”果物”、”非でんぷん野菜”は太りにくい

※3   全粒穀物:玄米や雑穀米、全粒粉パンなど

 

一方、全粒穀物や果物、非でんぷん野菜の摂取量が多い人は、体重減少する傾向があったそうです。

 

例えば4年間の間、1日の摂取量を100g増やすと…

 

・全粒穀物の場合:平均-0.4kg

 

・果物の場合:平均-1.6kg

 

・非でんぷん野菜の場合:平均-3.0kg

 

と、体重減少を認めたそうです。

 

どの食べ物を減らしてどの食べ物を増やすと効果的か?

食品を変えることで変化する体重量(BMJ2023;382:e073939より)

また、「同じ量の炭水化物を食べながら、食品の種類を置き換えたとき」どう変化するかをみています。

 

グラフを見てみると、最も体重減少する可能性が高いのは、フライドポテトを減らすかやめることです(グラフの赤枠)

 

どうやら、「フライドポテトは体重増加への影響力が絶大」のようですね。

 

また、でんぷん野菜やとうもろこしを減らして、果物や非でんぷん野菜に置き換えるのも効果が高そうです(グラフの黄枠)

 

その他、体重を減らすために「減らしたほうが良い食品」「増やしたほうが良い食品」がグラフから分かるので、参考にしてみてください。

炭水化物を上手にとるためには?

今回結果から炭水化物を上手にとるためには、以下のようなことに注意するとよいといわれています。

  • 主食は、玄米や雑穀米、全粒粉パンなどがよい

 

  • 主菜の付け合わせは、じゃがいもやカボチャなどの根菜類ではなく、きのこやほうれん草などの非でんぷん野菜を多めに

 

  • 間食は、果物やナッツ類などがよい

 

まとめ

今回の研究結果から、炭水化物は”量”だけでなく、”質”も大切ということですね。

 

炭水化物は、エネルギー源として欠かせない栄養素ですが、その種類によっては、体重や健康に良くないこともあります。

 

炭水化物の種類にも気を使いつつ健康的な食生活を送れるとよいですね。

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