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第37回:植物代替肉は腎臓病の救世主になるのか?③ ~リンがふくまれる食べ物とは?~

[2022.12.22]

前回は、リンの働きと、リンが多いとなぜよくないのかについて、ご紹介しました。

 

今回は、「リンがどのような食べ物に多く含まれるか」を見ていきたいとと思います。

リンがたくさん含まれる食べ物とは?

 

下表を見て頂くと、ほとんどの食べ物に含まれますが、特にたんぱく質の量が多い食べ物に多く含まれます

 

そのため、リンをたくさん含む食べ物の代表例が、肉類・魚類・乳製品・豆類・卵類といわれています。

 

中でも骨ごと食べるような食品や、(レバーなどの)内臓類・(アーモンドなどの)種実類も多く含まれていることが分かります。

 

また、食品添加物にもリンが含まれており、ハム・ソーセージ・するめ(加工済)などの加工食品には注意が必要です。

 

しかし、この食品添加物ははっきりとした成分量の表示が義務付けられていないため、「加工食品の場合はさらに多いリンが含まれているのではないか?」といわれているのが現状です。

 

ただ、こんなことをいちいち指摘していると、「じゃあ、何を食べればいいいんだよ!」という声が聞こえてきそうです。

 

ところで、一言で”リン”といっても、実はいくつか種類があるのはご存知でしょうか?

 

大きく分けて、体に「吸収されやすいリン」と「吸収されにくいリン」があります。

 

もし、「吸収されにくいリン」が含まれている食材を中心に食べるよう気を付ければ、血液中のリン濃度もそれほど上がらなくて済むはずなのです。

「吸収されやすいリン」と「吸収されにくいリン」

リンには、自然界に存在する動物・植物に含まれる”有機リン”と、食品添加物に含まれる”無機リン”に分かれます。

 

まず食品添加物に使われている”無機リン”は…

 

よくありません

 

その90%以上が体に吸収されてしまうからです。

 

そのため、たんぱく質をそれほど食べているつもりがなくても、食品添加物が多く含まれるインスタント食品やファーストフードによって、「リンが高いですよ」と指摘されることがあるかもしれません。

 

一方、”有機リン”は、”動物性”たんぱく質(肉・魚・乳製品)由来と、”植物性”たんぱく質(豆類・野菜・果物など)由来に分かれます。

 

”動物性”たんぱく質由来の有機リンは、約80%が吸収されるといわれていますが、”植物性”たんぱく質由来の有機リンでは、30%程しか吸収されません(⇒こちらの論文より)

 

 

つまり、同じ量のたんぱく質を食べていても、「動物由来か」、「植物由来か」によって、体に吸収されるリンの量が異なるというわけです。

 

そのため、「植物性たんぱく質」の食材は、血液中のリン濃度を上げにくいのです。

 

まとめますと、

 

とっても「吸収されやすいリン」食品添加物にふくまれる”無機リン”

やや「吸収されやすいリン」動物性たんぱく質にふくまれる”有機リン”

「吸収されにくいリン」植物性たんぱく質にふくまれる”有機リン”

 

となります。

 

そこで、ようやく植物由来の代替肉の登場です。

 

つまり、「植物由来の代替肉にふくまれるリンは、吸収されにくい」ので「植物由来の代替肉なら、血液中のリン濃度もそれほど高くならないかもしれない」というわけです。

 

とっても前置きが長くなりましたが、次回はこの植物由来の代替肉の可能性についてみていきたいと思います。

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