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スタッフブログ第1回:シャント穿刺についてのはなし

[2021.08.28]

透析を行うためにまずすることは?

血液中の老廃物と余分な水分を取り除くための透析治療ですが、針を刺さないことには始まりません。カテーテルを留置していて針を刺さなくてもよい患者さんもいますが、大部分の患者さんは毎回針を刺して透析治療を開始しています。

針を刺すことを “穿刺” といいますが、これがうまくいくかが患者さんにとっては大問題です。

私達岩本クリニックでは2007年から本格的に穿刺の成功率を上げるための取り組みを行ってきました。そこで取り組みについて紹介したいと思います。

透析導入したばかりの患者さんや血管が細くわかりにくい患者さんの穿刺は経験年数の長い特定のスタッフが行う

透析を始めたばかりの患者さんのシャントの血管は未発達で針を刺しにくく、漏れやすい特徴があります。また、血管にも個人差があり透析年数にかかわらず血管が分かりづらい患者さんもいます。

「穿刺を成功させる=失敗しない」ことはシャントを長持ちさせる秘訣です。特に透析を始めたばかりの患者さんの血管への穿刺は慎重に行わなければなりません。そこで経験を積んだベテランのスタッフが、血管がある程度発達するまで行っています。

では、いったい岩本クリニックのスタッフの経験年数はどうなっているのでしょうか?

穿刺担当スタッフの経験年数(2021年現在)

看護師 10名   臨床工学技士 4名

3~5年未満   2名

5~10年未満  4名

10~20年未満  3名

20年以上    5名

 

大分経験年数の長いスタッフの比率が増え、10年以上のスタッフが半数以上を占めています。

シャントカルテを作成し活用しています

シャントカルテ例

針を刺して実際に使っている様子を写真に撮り、だれが見ても分かるようにしています。写真で管理することで、穿刺に使っている血管や刺す場所が一目でわかり針を刺すスタッフが迷うことなく穿刺ができます。

穿刺記録ノートを活用しています

穿刺記録ノート

穿刺がうまくいかず失敗してしまった時に、どんな状況で失敗してしまったのか、どの血管で失敗してしまったのか、また次回はどうすればよいかなど、穿刺ミスを考察して失敗が続かないように努めています。

カンファレンスで月2回検討

新しい患者さんや穿刺ミスが続いた患者さんについては、毎月2回行っているカンファレンスで取り上げて、穿刺の場所や血管について検討し、成功への手がかりをスタッフ全員で考えます。

過去3年間の穿刺成功率は?

2018年   98.7%

2019年   98.3%

2020年   98.4%

 

今後ももっと成功率が上がるように頑張ります!

看護師 黒澤

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