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慢性腎臓病(CKD)とはなに?原因と進行の仕組み

[2025.02.15]

腎臓病まめ知識、今回は慢性腎臓病(CKD)についての話題です。

 

腎臓は、私たちの体の中で「おそうじ屋さん」の役割を担い、老廃物や余分な水分を取り除いてくれる大切な臓器です。

 

しかし、その腎臓が少しずつ働きを落としてしまう「慢性腎臓病(CKD)」は、日本人の5人に一人がかかっていると言われ、進行すると人工透析などが必要なる場合がある、非常にこわい病気です。

 

そこで今回は慢性腎臓病(CKD)について、腎臓・透析専門医がなるべくわかりやすくご説明します。

1. 慢性腎臓病(CKD)ってどんな病気?

慢性腎臓病とは、腎臓の機能が長い期間をかけて徐々に低下していく病気です。

(一方で、急激に腎臓が悪なった状態を”急性腎障害”、もしくは”急性腎不全"といいます)

 

慢性腎臓病は、はじめは目立った症状がありません。

 

しかし、ある程度進行してしまうと、「元の健康な腎臓」に戻れなくなってしまいます。

 

そのため、早期発見・対策が大切となります。

 

また、さらに進行していくと、老廃物が体内にたまり、だんだんと体に負担がかかるようになってしまいます。

 

2. どんな原因で起こるの?

慢性腎臓病の原因は多数ありますが、日常生活の中でよく見られるものとしては以下が挙げられます。

 

高血圧: 血圧が長期間にわたって高いと、腎臓の細かい血管に動脈硬化のようなダメージが蓄積されます。

 

糖尿病: 血糖値のコントロールがうまくいかないと、腎臓の働きにも悪影響を及ぼします。

 

その他: 遺伝的な要因や長期にわたる薬の使用、生活習慣の乱れなども関係しています。

 

腎炎:自分の腎臓を外敵と間違って判断してしまい起こるもので、自己免疫性疾患と呼ばれます。

3. 腎臓病はどうして進むの?

腎臓は働きを続けるうちに、少しずつ「疲れて」しまいます。

 

とくに高血圧や糖尿病などの影響で腎臓の細かい血管がダメージを受けると、腎臓の働きが低下し、さらにその機能低下が次の障害を助長するという悪循環におちいります。

 

また、腎臓に負担がかかる薬剤を知らないで使っていても、いつの間にか進行している場合があります。

 

腎臓が疲れないようにするために、血圧や血糖をうまくコントロールして、適切に腎臓への負担を取り除いてあげる必要があります。

 

4. どうすれば予防できるの?

まずは、生活習慣の見直しがポイントです。

 

食生活: 塩分を控えめにし、バランスの取れた食事を心がけましょう。 塩分控えめは、血圧のコントロールにとても大切です。

 

運動: 適度な運動で血圧や血糖値をコントロールすることも大切です。

 

定期検診: 腎臓病は自覚症状が乏しいため、定期的に血液検査や尿検査を受けることで早期発見につながります。

 

薬剤:最近、糖尿病の治療薬であったSGLT2阻害薬という薬剤が、慢性腎臓病の進行を抑えることがわかってきました。

   日本でも慢性腎臓病に対してSGLT2阻害薬が使用可能となっています。

         ※ かなり進行した慢性腎臓病(eGFR<25)に対しては、使用できません

   その他、血圧の薬や血糖の薬も大切になります。

5. まとめ

腎臓は体の健康を支える大切な臓器です。

 

慢性腎臓病は、あっさり気づかないうちに進行してしまうこともありますが、日々の生活での工夫や早めの検査により、進行を遅らせることが可能です。

 

当院では、皆様の腎臓の健康を守るため、わかりやすい説明とサポートを心がけています。

 

疑問や不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

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