スタッフブログ第17回:透析運動療法の勉強会をやりました
初めまして、作業療法士の釜田 と申します。
先日、当院にてスタッフ全員が安全に透析中の運動療法を行うことができるよう、勉強会を行いました(写真)。
実際に自分たちが患者さんと同じ体験をすることで、運動療法の“きつさ”(負荷)も実感することができました。
ところで、皆さんは透析と運動と聞いてどう思いますか?
「透析中は静かに寝ていないといけない」
「疲れるから運動なんてもってのほか」
「困っていることがないから、運動は必要ない」
と考えている方が多いと思います。
本当にそうでしょうか??
透析を受ける方には、もともと糖尿病や高血圧、心不全などをお持ちの方も多いかと思います。
また、透析の長時間の安静していることや、透析後の疲れもあったりと、活動量が減ってしまい、筋力低下や運動機能低下が見られることも多くあります。
ちなみに週3回、4時間の透析を1年間行うと、1か月間寝たきり生活(!?)をしているのと同じ時間になるそうです。
体力のある人でも1か月間寝たきり生活すると、歩くことだけでなく座ることさえも難しくなる場合もあります。
ですから、自分にあった運動を定期的にすることはとても大切なのです。
では、透析中に行う運動とはどういうものなのでしょうか?
透析中の運動療法は、基本的に次の順番で行います(図)。
① ストレッチ
② レジスタンス運動(筋トレ)
③ 有酸素運動(自転車エルゴメーター)
④ ストレッチ・クールダウン
これらの運動は、
- 運動耐久性の向上
- 筋力の向上
- 歩行機能の向上
- 身体的QOLの改善
- 透析効率の改善
- フレイルやサルコペニア、心血管疾患の予防
などの効果をがあります。
運動不足であきらめているみなさん、透析中でもできる運動はあります!
むしろ透析中の運動は「透析効率の改善」もできるといわれています。
1人でやるにはつらい運動でも、透析中に私たちと一緒に運動してみませんか?
透析患者さんが正しい運動方法を身につけ、安心安全に生活を送ってほしいと願っております。
作業療法士 釜田