高血圧について
血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことです。
高血圧は、上の血圧が140mmHg以上の場合、または下の血圧が90mmHg以上の場合と定義されます。
日本の高血圧患者は、全体として約4,300万人いると推定されており、日本人のおよそ3人に1人が高血圧と言われています。
血圧の上昇の原因が明らかな場合を「二次性高血圧」と呼びますが、これは高血圧全体の10%未満にすぎず、多くは原因が特定できない「本態性高血圧」です。
この大部分を占める本態性高血圧の発症には、遺伝因子が60%、環境因子が40%からんでいることがわかってきました。
環境因子として大切なのは、塩分過多、アルコール、肥満、運動不足などです。
だから、両親が高血圧など遺伝的に高血圧になりやすい体質の人でも、塩分の制限、節酒、肥満の改善、適度の運動など、生活習慣の是正で高血圧の発症を防いだり、発症を遅らせたり、血圧を下げたりすることができるのです。
高血圧を放置していると、動脈硬化が進行して脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気になる危険性が高まります。
高血圧治療の目的は、このような高血圧に伴う臓器障害や合併症の発症を防ぐこと、進行を遅らせることです。
血圧を下げるお薬などの薬物療法はそのための重要な方法ですが、同時に生活習慣の見直しはとても重要です。