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第8回:熱中症と腎臓病③ ~水分補給はどうすればよい?~(2021.08.28更新)

ここ最近、コロナワクチンに関する話題が多く、熱中症に関するコラムが中途半端になっていました。

残暑とも言える厳しい暑さがしばらく続きそうなので、熱中症についての最終回をようやくお伝えしたいと思います。

 

 

前回は、熱中症と塩分補給の関わりについてご説明しました。

結論をもう一度お伝えしますと、「熱中症予防に追加の塩分補給は必要ない」、そして「食事を3食欠かさずしておくこと」が大切です。

では熱中症シリーズ最終回として、腎臓病をかかえている方の夏の水分補給について解説します。

夏の水分補給について、「熱中症予防にはスポーツドリンクの方がいいですか?」という質問を度々受けます。まずこれについて結論をお伝えしましょう。

熱中症予防としてスポーツドリンクを飲むのは、お勧めできません

ご存じかもしれませんが、スポーツドリンクには塩分が含まれています。一般的な市販のスポーツドリンクだと、だいたい塩分濃度は0.1-0.2%程度ですから、汗(塩分濃度約0.4%)よりも薄味です。ですから、発汗量と同じくらいの量のスポーツドリンクを飲む分にはそれほど問題になりません。

しかし、スポーツドリンクを飲むと、なぜかもっと飲みたくなる(のどが渇く)経験をしたことはありませんか?

それは、スポーツドリンクには塩分の他に、糖分も含まれていることも理由の一つです。スポーツドリンクの成分を調べてみますと、500mlだと20-30gの糖分が含まれています。これは角砂糖が約4~6個程度入っている計算になります。

ちなみに先ほど書いた通り、スポーツドリンクの塩分濃度は0.1-0.2%程度ですから、ペットボトル1本(500ml)のスポーツドリンクには、0.5-1.0gの塩分量が含まれます。これは、第1回のコラムでも書いた、「うなぎの蒲焼のたれ1袋(塩分量約0.7g)」に近い量の塩分が含まれています。

角砂糖4-6個にウナギのたれ1袋をかけて、一気に食べることを想像してみましょう…!?

のども渇く理由も何となくわかるかと思います。因みに、清涼飲料水を短時間のうちにたくさん飲むことで、急に血糖値が上がって糖尿病症状が急激にでることを「ペットボトル症候群」といい、注意が必要です。

腎臓病や透析されている方の中には、糖尿病をお持ちの方も少なくありません。特に糖尿病の方にとっては、血糖値も上がって、更に飲水量も必要以上に助長されてしまうスポーツドリンクは、熱中症予防策としてあまり適切ではないといえます。

もし水分補給をするのであれば、水もしくは、カフェインが含まれていないお茶類(麦茶など)がよいといわれています。

※カフェインを含まない理由として、カフェイン自体に利尿作用があり、脱水症を助長するからといわれています。しかし、腎臓病の方の場合には、わざわざ利尿剤を処方されているかたも多く、お茶類程度であればそれほど気にする必要はないかと思います。

補給量は、「のどの渇きに応じて飲めば十分」です。前回もお伝えした通り、人の体は自分で調節する機能が備わっています。のどの渇きは、その調節機能に伴う反応の結果ですから、それに従って飲めば、体から失われた量とほぼ同じ水分量を補給できます。

特に尿量が減っている腎臓病の方は、熱中症予防のつもりで摂った塩分やスポーツドリンクによって、更にのどが渇いて水分を過剰に摂取してしまうことは、むくみやうっ血性心不全の原因となりますのでくれぐれも注意してください。

そうはいっても、「今、私の体は水分が不足しているの?それとも過剰なの?」と、迷ってしまうこともあるかと思います。その目安として有用なのが”体重”です。普段の体重(むくみみがないときの体重)よりも減っていれば、もう少し水分を摂ってもよいと思ってください。一方で、普段の体重よりも増えているようならば、水分はそれほど必要ないので、控えるようにしましょう。

水分補給に関して、①種類 ②量 ③飲むかどうか迷ったとき に分けて結論をまとめてみましょう。

①種類:「スポーツドリンクはお勧めしません水か(麦茶などカフェインが含まれていない)お茶類がお勧め」

②量:「のどの渇きに応じて飲めば十分

③飲むかどうか迷ったとき:「普段の体重と比べてどうか?

ということです。

 

これで、3回に渡る熱中症に関してのコラムを終えたいと思います。

腎臓病をお持ちの方(そうでない方も含めて)が、熱中症について少しでも知ることができれば幸いです。

まだ厳しい残暑が続きそうです。新型コロナウイルスの感染予防だけでなく、熱中症についても十分気を付けていただければと思います。

 

スタッフブログ第1回:シャント穿刺についてのはなし(2021.08.28更新)

透析を行うためにまずすることは?

血液中の老廃物と余分な水分を取り除くための透析治療ですが、針を刺さないことには始まりません。カテーテルを留置していて針を刺さなくてもよい患者さんもいますが、大部分の患者さんは毎回針を刺して透析治療を開始しています。

針を刺すことを “穿刺” といいますが、これがうまくいくかが患者さんにとっては大問題です。

私達岩本クリニックでは2007年から本格的に穿刺の成功率を上げるための取り組みを行ってきました。そこで取り組みについて紹介したいと思います。

透析導入したばかりの患者さんや血管が細くわかりにくい患者さんの穿刺は経験年数の長い特定のスタッフが行う

透析を始めたばかりの患者さんのシャントの血管は未発達で針を刺しにくく、漏れやすい特徴があります。また、血管にも個人差があり透析年数にかかわらず血管が分かりづらい患者さんもいます。

「穿刺を成功させる=失敗しない」ことはシャントを長持ちさせる秘訣です。特に透析を始めたばかりの患者さんの血管への穿刺は慎重に行わなければなりません。そこで経験を積んだベテランのスタッフが、血管がある程度発達するまで行っています。

では、いったい岩本クリニックのスタッフの経験年数はどうなっているのでしょうか?

穿刺担当スタッフの経験年数(2021年現在)

看護師 10名   臨床工学技士 4名

3~5年未満   2名

5~10年未満  4名

10~20年未満  3名

20年以上    5名

 

大分経験年数の長いスタッフの比率が増え、10年以上のスタッフが半数以上を占めています。

シャントカルテを作成し活用しています

[caption id="attachment_2095" align="alignright" width="204"] シャントカルテ例[/caption]

針を刺して実際に使っている様子を写真に撮り、だれが見ても分かるようにしています。写真で管理することで、穿刺に使っている血管や刺す場所が一目でわかり針を刺すスタッフが迷うことなく穿刺ができます。

穿刺記録ノートを活用しています

[caption id="attachment_2096" align="alignright" width="252"] 穿刺記録ノート[/caption]

穿刺がうまくいかず失敗してしまった時に、どんな状況で失敗してしまったのか、どの血管で失敗してしまったのか、また次回はどうすればよいかなど、穿刺ミスを考察して失敗が続かないように努めています。

カンファレンスで月2回検討

新しい患者さんや穿刺ミスが続いた患者さんについては、毎月2回行っているカンファレンスで取り上げて、穿刺の場所や血管について検討し、成功への手がかりをスタッフ全員で考えます。

過去3年間の穿刺成功率は?

2018年   98.7%

2019年   98.3%

2020年   98.4%

 

今後ももっと成功率が上がるように頑張ります!

看護師 黒澤

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