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第28回:夜食してもダイエットはできる!?  ~ダイエット成功の秘訣とは?~

[2022.04.22]

本コラムを読んでくださっているみなさんも、ダイエットをしたことがありませんか?

 

ダイエットするにあたっての基本として、「朝食・昼食はたくさん食べてもOK、夕食は少なく」、「寝る前2-3時間は何も食べないようにする」ということはよくご存じかと思います。

 

その理由として、

 

① 日中に沢山食べてもその後に活動すればカロリー消費できること

 

② 代謝を増加させる遺伝子が日中の時間帯はonになっていること

 

③ 夜遅くに食べるほど、(糖尿病のリスクになる)メラトニンというホルモン分泌が増えること

 

などがいわれています。

 

その他、1日のうちの6-8時間内にだけに食事を限定することによって、断続的な断食状態にする有効性を示した研究もあります。

 

一方、食事をする時間帯を限定することが、果たしてダイエットに有効なのか、疑問を呈した研究※1も過去にはあり、まだ一定の見解は得られていないのが現状です。

 

※1:この研究結果が信じられなかった米国研究者は、統計専門家に4回もデータ再分析をしてもらったそうです

 

そして先日(4月21日)、権威ある医学誌から「食事時間の制限はダイエットに意味がない」という研究結果が発表されたので、ご紹介したいと思います。

 

どんな研究なの?

この研究は、中国においてBMIが28-45の139人を対象としたダイエットプログラムとして、1年間※2にわたって行われました。

 

※2:特に1年間という長期間行われたことが今回の研究の”売り”だそうです

 

この139人を以下の決まり事で2つグループに分けています。

 

① 制限グループ朝8時~16時の間に3食を食べること※3(ノンカロリーアルコールは16時以降も可)

② 自由グループ好きな時間に食事してOK

 

※3:16時までに夕飯まで済ませなければならないのは、早いように感じますが、中国では昼食を豪勢に食べる習慣があるため、この時間帯にしたそうです

 

なお、どちらのグループも(ダイエットプログラムなので)全員、1日の摂取カロリーが以下のように制限されています。

 

女性:1200-1500kcal/日

男性:1500-1800kcal/日

 

さて、1年間カロリー制限をした結果、”制限グループ”と”自由グループ”、どちらがダイエットに成功したでしょうか?

 

結果

グラフ:N Engl J Med 2022; 386:1495-1504より引用・一部改編

その結果をグラフにお示しします。

 

1年間のプログラムで、

 

制限グループは平均8.0㎏の減量に成功したそうです。

 

一方、自由グループは平均6.3㎏の減量に成功したとのことです。

 

これを聞くと、制限グループの方がよりたくさん減量に成功したようにも見えますが、実は両グループ間に統計学有意差はなかったとのことです。

 

その他、体脂肪・内臓脂肪・血圧・血糖値・コレステロール値など、どれも両グループで改善しましたが、やはり両グループ間には統計学有意差はなかったそうです。

 

つまり、「食事時間を制限しようがしまいが、ダイエット成功の程度に差はなかった」ということです。

 

この結果からいえることは?

 

これまでダイエットにおいて「夜遅くに食べることは、NG」とされてきました。

 

しかし今回の研究結果は、もしかするとその”定説”を覆すものかもしれません。

 

この研究結果を簡単にまとめると、ダイエット成功するためには…

 

① 食事の時間が遅くなってもあまり関係ない

 

② 1日のカロリー摂取制限が最も大切※4

 

ということです。

 

※4:どちらのグループもそれほど差がなくダイエットできたのは、やはりカロリー制限が大切だということです

 

その他、今回の研究がアジア系人種(中国人)を対象に行われたことも、日本人にとっては重要です。

 

つまり、(日本人にとっては)人種差の影響を考える必要が少ないのです。

 

しかし、注意点もある!

この研究結果は、ダイエットしている方にとっては喜ばしいことかと思いますが、いくつか注意点もあります。

 

まず、

 

① (※2でも触れたように)中国では、昼食が最も豪勢

 

であることです。

 

私たち日本人は、やはり夕食に最も多く食べる方が多いかと思いますので、その場合がどうなのかはわかりません。

 

次に、

 

② 自由グループの人たちが、夕食を何時くらいに食べていたのかがわからない

 

ことです。

 

もしかすると、自由グループの人たちも”ダイエット中”という意識から、夜遅くに食べることを避けていた可能性があります。

 

そして、最も注意すべきこととして、

 

② ”夜遅くに食べても太らない”といっているわけではない

 

ということです。

 

最初にも簡単にご紹介したましたが、夜遅くに食べると太りやすいという科学的根拠は実際にあります。

 

あくまでも、「同じカロリー摂取制限内であれば」それほど時間を考えなくてもよいということです。

 

まとめ

 

結局、ダイエット成功の秘訣とは、(当たり前のことですが)カロリー摂取制限だということですね。

 

夜遅く、いつもより多く食べれば、その分の見返りもあると思いますので、みなさんもご注意を。

 

 

 

 

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